日本画家 井木紫人について

2002年、素晴らしい金魚(らんちゅう)と出会いました。
らんちゅうの模様や泳ぎ、美しさ、形、すべてに魅かれました。
それから「誰も描いたことのない金魚画を描きたい!」
と思いはじめ伊藤若冲の鶏ように家の庭で本格的に金魚を飼い始めました。
より自然に近い形で飼育し本格的な飼育方法を学び試行錯誤を重ね、本当の金魚の楽しみ方を知りました。
そのすべてを絵にすることこそが自分の進むべき道だと考えました。

〜掲載誌とご購入について〜
日本画家 井木紫人の作品購入については(株)美術新星社 発行『美術市場2013』、株式会社美術年間社の『美術年間 art annual 2013』掲載に基づき1号=¥35,000よりとさせていただきます。

ART studio GENCOについて
『アートスタジオジェンコ』はイラストとデザインを中心としたブランドです。井木紫人は日本画、ジェンコはイラスト&デザインです。日本画作品とは価格が異なっております。



お問合せ先 ranchiu@hm10.aitai.ne.jp
日本画家 井木紫人

2015年1月25日日曜日

ウェディング写真集を作るの巻


  20年くらい前からでしょうか。結婚式の写真を一眼レフで撮るようになりました。最初は親友の嫁さんをどうしてもキレイに撮ってあげたくて、写し始めたのがキッカケでした。結婚式場のプロカメラマンみたいな高価なレンズは持っていませんが、プロが撮らない写真、撮れない写真を撮ることが自分にできる価値と考えました。

 それは回数を重ねるうちに分かってきたことです。結婚式というのは新郎新婦が主役といいながらも、実は花嫁が本当の主役です。その花嫁がたった1日だけ、もっと言えば、たった数時間だけ華やかな白無垢やウェディングドレスを着ます。その数時間は二度とない時間です。二度とない瞬間全てを撮ることが、もしかしたら自分のできる撮影ではないかと悟ったのです。基本的には最初から最後まで完全密着撮影が自分スタイルです。

 親しくなった小学校の先生を撮影した時のことです。それまでニコニコと笑いながら話していた新婦(先生)がウェディングドレスを着て次第に式へと近づいてゆく時のことでした。最後ティアラを頭にのせた瞬間、目が変わりました。周囲の空気も変わった瞬間でした。突然、彼女は黙ってしまいなんとも言えぬ厳粛な刻を噛みしめていたように思いました。あのシーンは彼女の覚悟の瞬間だったように思います。

 また、ある新婦の時はお姉さんと妹さんが待ちきれなくて、突然!着付け部屋に飛び込んで来て新婦のウェディングドレス姿が出来上がった瞬間、ピースで姉妹を撮影したこともありました。一刻も早く妹を見たい!お姉ちゃんを見たい!思いの表れで、3姉妹の湧き立つような歓声の中での撮影でした。その笑顔は姉妹にしかわからないであろう本当のバカ笑いの笑顔だったように思います。

  真冬の明方3時にご自宅に伺いそのまま式と披露宴まで撮影したこともありました。友人はお母さんとおばあちゃんとの3人暮らし。小さなアパート暮らしでした。おばあちゃんは寝たきりで式に出られないからと友人は自宅からの白無垢姿の出発を選びました。その際にどーしても記念の家族写真を撮りたいからと大役を仰せつかりました。新婦とおばあちゃんが涙をこぼしているのを撮るという、とても感慨深い家族写真でした。

  お金もうけで撮っているのではないので、他人は撮りません。知人しか撮りません。知らない人の本当の笑顔が判らないからです。いつも1000枚近くシャッターを切ります。感動が残っているうちにと、できる限りその日のうちに徹夜をしてでも選別とトリミングと編集を行います。感動が薄くなると判断が鈍るからです。できる限りイイ思い出をたくさん残してあげたいからたくさん撮ります。たくさんイイ写真があれば、思い出すシーンもたくさんです。そして何よりも素晴らしい花嫁姿をたくさん残してあげられる喜びや感動があります。

 そんなたくさんの感動的なシーンを自分の手元にも形に残しておきたいと以前から考えていました。お金と時間がなくて、よーやくこの度「ウェディング写真集」を作ることにしました。もう手元にないネガやポジフィルム、過去過ぎて無いデジタルデータもあります。残念ですが、ここ数年前の作品だけで作ろうと思います〜