〆切に追われ、やっと乾き待ちでホッとしております。丁度今、綺麗な岩絵具を準備しましたのでせっかくですから、日本画のお話でもいたしましょう。
日本画の絵具は『岩絵具』といわれる天然の石や珊瑚、貝などを砕いて精製されたものです。いわゆる天然鉱物的なモノです。この色は『岩華(いわかば)』といいます。鶏冠石、またの名をオーピメントリアルガーと言うらしいです。古くから花火の材料に使われてり、古代エジプトでは顔料として使われていたと資料に書いてありました。日本画では顔料として15g=約620円ほどで売買されています。これは時代で変わってきます。材料が天然資源なので減ってくればおのづと高くなります。我家にあるのはこの値段です。袋と皿に出したのを入れて、全75g=¥3,100となります。この程度ですとバック(背景)をサラッと塗ってしまうと、あっ!ちゅーまに終わります。ホント泣けてきます。これを活かした描き方をしたいものと常々考えております。
続きまして『乳鉢』。これも我家にたくさんあります。ベビーサイズから丼ぶりサイズまで。絵具の種類によって粘土質の絵具を使います。『水干(すいひ)』といいますが、粘土質の絵具といっても乾いておりますので、カッチカッチですよ。それを乳鉢でゴリゴリ!スリスリ!ゴリゴリ!スリスリ!時間をかけて砕きます。ココで時間を惜しむと結果、発色が悪くなりますので丁寧にスリスリします。後に膠(ニカワ)と水を混ぜて描きます。
続いて、刷毛(はけ)ですが、ボクは2m近い絵も描きますので、小さい筆や刷毛ではキレイに塗れません。当然、幅が広ければ高価になります。筆のお金がモッタイナイといって惜しむとイイ絵は描けないように思います。これは経験で学びました。道具はその場その場の場面にあった最適なモノを使うべきだと思います。
ウンチクでした。
よし!また描こう。