2014年1月10日金曜日
〆切りと鉄瓶
こうなったら、〆切に間に合わないかもしれないから、それに見合った絵を描くしかない。と思って、昨年暮れから描き始めました。でも結局自分にウソがつけず夜な夜な、日にちをまたいで描いてます。どうせ同じ100号サイズを描くなら、良くも悪くも最善を尽くして描きたいと思いました。手抜きで一生懸命よりも、ギリギリのダメもとで一生懸命描くことを選びました。
「さて、間に合うかな?」
日本画は「壊して描く」の繰り返しといいます。壊すとは、一旦描いた線を見えなくなるくらいその上から違う色を塗ることを言います。線を描く事を「描く、起こす」といいます。刷毛で大雑把に描くことを「かける(ぶっかける)」といいます。描いては、かける。かけては起こす。の繰り返しなのです。いかにこの繰り返しを多くやるかなのです。
この効果は絵に深さを表します。深い絵ほど、その努力と時間の度合いを感じます。
悩むから、納得できないから「描いてはぶっかける、壊しては、起こす」を繰り返しをするのです。この努力こそが一生懸命なのです。悩んだ絵ほど、苦労した絵ほど、一生懸命が伝わります。いかに人を感動させられるのかは、いかに自分が感動したことを忠実に描けるかだと思います。忠実に描けないから一生懸命に描くのです。感動を伝えるとはそういうことだと思います。
寒い部屋で地味にストーブ焚いて描いてます。日本画家にとって『ストーブ』と『やかん』は必須アイテムです。お湯を使い、膠を火で温めながら日本画は描きます。そこに新アイテム『鉄瓶』を加えました。