日本画家 井木紫人について

2002年、素晴らしい金魚(らんちゅう)と出会いました。
らんちゅうの模様や泳ぎ、美しさ、形、すべてに魅かれました。
それから「誰も描いたことのない金魚画を描きたい!」
と思いはじめ伊藤若冲の鶏ように家の庭で本格的に金魚を飼い始めました。
より自然に近い形で飼育し本格的な飼育方法を学び試行錯誤を重ね、本当の金魚の楽しみ方を知りました。
そのすべてを絵にすることこそが自分の進むべき道だと考えました。

〜掲載誌とご購入について〜
日本画家 井木紫人の作品購入については(株)美術新星社 発行『美術市場2013』、株式会社美術年間社の『美術年間 art annual 2013』掲載に基づき1号=¥35,000よりとさせていただきます。

ART studio GENCOについて
『アートスタジオジェンコ』はイラストとデザインを中心としたブランドです。井木紫人は日本画、ジェンコはイラスト&デザインです。日本画作品とは価格が異なっております。



お問合せ先 ranchiu@hm10.aitai.ne.jp
日本画家 井木紫人

2012年7月5日木曜日

創造と絵楽

最近描いてる鉛筆画は、なんと!HBだけで描いてます。
普通のミツビシ鉛筆です。きっと、4Bとか6Bとかで描いてると思われがち。
「持ってますよ〜!」
8H、5H、3H、F、HB、2B、4B、6B、8B、いろいろなメーカーのやつ。
でも地味にHBだったんです。

8Bを使えば確かに黒い部分や影の部分が真っ黒けになります。
それではオモシロくない。HBだけとは言わないが、濃淡で表現することが鉛筆画の最大のオモシロさだと思う。リアルも二の次です。写真の用に描いてしまったら、スゴいけど創造できない。もっと人間らしさがあった方がボクは感動できると思うし好きだな〜鉛筆が走った生々しい線やカスレ、ぼかし。これが見えてた方がその人らしさが見えてくる。見せたい!と思う努力が見えるのだ。

ボクが習ったデッサンやスケッチと言えば、中学の美術の時間と高校の美術の時間だけ。あれ以来、習ったことがありません。良い、悪いは別として全て我流で描いてます。勉強したといえば唯一、展覧会で観た好きな作家の生のスケッチ画を食い入るように観て脳に焼き付ける。この繰り返しで今があります。一番電気が走ったのは、杉山寧。恐ろしいほどのデッサン力、素材感まで出てるよ!って感動。次にノーマン・ロックウェル、アルフォンス・ミュシャ。人間の表情の描写がスゴい。心の中まで見える笑顔が描かれてます。今でも好きな作家の展覧会には足を運びます。

何でも写真のように超リアルに描けた方が上手だと思われがちだけど、違うとボクは思う。創造させる事こそが、飽きさせない、感動させる最大の力だと思う。こんな例えがある。そこに女性のヌード写真がある、一枚は全て見せている。もう一枚は下着で隠しチラリと見せている。どちらがエロいか?
すべて見せてしまった写真は既に完結しまっている。チラリは見た人それぞれが創造できるという宇宙的な話なのである。少し最後を残してあげる、完結させない方がオモシロいと思う。エロいのは別として、観る人に創造させてあげる事がボクは大切だと思う。そこに説明はいらない。

上手に描こうと思うより、描きたいものを描く。
ボクの場合、絵の中で動物が生きててほしいと思いながら金魚も鳥も描いてます。そこに水が存在しなくとも絵の中では金魚が泳いでます。泳いでいる!と信じて描いてます。生きてるようになるまで何度でも描きますよ。生きてると感じた瞬間、楽しくなります。それまでの苦労もぶっ飛んでしまいます。
こんな事、学校の授業で教えてくれったけ?
今思う。
美術ではなくて、『絵楽』って授業にしてくれたらもっと楽しめたかも。