日本画家 井木紫人について

2002年、素晴らしい金魚(らんちゅう)と出会いました。
らんちゅうの模様や泳ぎ、美しさ、形、すべてに魅かれました。
それから「誰も描いたことのない金魚画を描きたい!」
と思いはじめ伊藤若冲の鶏ように家の庭で本格的に金魚を飼い始めました。
より自然に近い形で飼育し本格的な飼育方法を学び試行錯誤を重ね、本当の金魚の楽しみ方を知りました。
そのすべてを絵にすることこそが自分の進むべき道だと考えました。

〜掲載誌とご購入について〜
日本画家 井木紫人の作品購入については(株)美術新星社 発行『美術市場2013』、株式会社美術年間社の『美術年間 art annual 2013』掲載に基づき1号=¥35,000よりとさせていただきます。

ART studio GENCOについて
『アートスタジオジェンコ』はイラストとデザインを中心としたブランドです。井木紫人は日本画、ジェンコはイラスト&デザインです。日本画作品とは価格が異なっております。



お問合せ先 ranchiu@hm10.aitai.ne.jp
日本画家 井木紫人

2012年3月13日火曜日


随分前に先生に言われたことを思い出す。
「いつかイイ硯を持ちなさい。きっといい絵が描けるから。」
十数年前、初めて絵が売れた時の話。うれしくて!手元にあったお金を何か形に残しておきたい。いや!何か買いたい。
その時に思い出したのが、この言葉。
硯は水墨画同様、日本画には欠かせない道具のひとつです。

 先生は古い『端渓』を持っておられ、素晴らしかったのを思い出します。
『端渓硯(たんけいすずり)』とは、中国の広東省にある、ある限られた河の水が引いた時期にしか採れなかった石を硯にしたもの。石に模様が入ったものがあり、その種類も様々。石に花が咲いたような模様が入ったものや淡緑色の斑点が入ったものは「眼」(がん)といわれ。鳥の眼のようなこの模様は石漣虫の化石と言われている。この眼が大きければ大きいほど、眼を造形的に加工された硯は価値があるといわれてます。

 ボクの端渓にも、ちぃ〜さな「眼」が入ってます。
これでも端渓のはしくれ安い硯とはやっぱり違います。墨が硯に吸い付くんですよね〜で、滑らか〜〜に墨が溶けていくんです〜きっと石の目が細かいんでしょうね。井木紫人作品の鳥や金魚の目はこの硯と青墨を使って描いてます。これがボク流のイイ仕事。墨は時間をかけて丁寧に擦らないと良い墨となりません。見えないところにも時間と手間をかける。これ、ポリシーです。

 ボクの端渓「眼」は小さすぎてわかりませんが、ボクの中では大切な宝物なんです。