後継ぎである男の家紋。
嫁ぎにいく女の家紋。
家紋はそれぞれの家にあるシンボルであります。シンボルとは象徴です。その昔は家の門や玄関に家紋が記してあったといいます。その家の象徴として大切な場所や催事に合わせて正装着に家紋が入りました。第一正装となれば着物に5紋。この地方の女性であれば、お嫁に行っても実家の家紋を背負います。そんなことから家紋というのはその家のシンボルであり、継承され大切にしてきたモノであるように思います。しかし現代の正装といえばレンタルが多い世の中。そこには、なぜか「鷹の羽」紋。残念ですが、どこのだれかわからない家紋。家紋は消え薄れてますが、大切にしたいモノで残したいモノであります。
消える理由は、
使う必要性がなくなったということ。
使う機会が減ったのが理由でしょうか。
それならばせめて後を継ぐ者たちが、見る機会だけでも減らさないようにしたいと仏間の欄間に描きました。仏間で仏様に手をあわせる事も減った今。残念ながら見る機会も減ってしまいそうです。
数年前に家紋にハマりました。苗字と家紋は一致しません。同じ苗字だからと言って家紋も同じとは限りません。分家した場合は同じ家紋となります。家紋はその家のルーツがわかります。苗字よりもよりリアルです。時代も見えます。深く掘り下げるとそのルーツは文様にありました。文様はデザインであります。文様は自然界からくる物がモチーフになってます。実はアールヌーボーも自然界からのデザイン。もちろんヨーロッパの家紋も同様です。世界中どこでもシンボルやデザインはいつでも自然界からです。
我家の家紋は柏の葉。
柏でも蔓(ツル)が付きます。
男は「丸に蔓柏」といい。ルーツは戦国時代、戦の時に三枚の柏の葉が兜に残っていたことだったとか。
女は「三つ蔓柏」。
祖父の葬式時だったか、長男であるならば自分の家の家紋が何であるか、どこのお寺の宗派であるかは言えるようにしておきなさいと教えられました。それがキッカケでした。自分の先祖がどこから来たのかを知るとまた、家紋にロマンを感じます。消え得る家紋ですが、少しでも大切にしていきたいものです。