にわか革好きでございます。
「コードバン」と「ブライドルレザー」。
実際にケガいて、切って、貼って、縫って、磨いて感じた一言とウンチク。
コードバンとは馬のお尻部分の皮を言います。左右で2箇所しか取れない部位でございます。お尻の皮の層の中にあるわずか2mmほどのコードバン層を削り出すのだそうです。お尻の特殊な部分でしか取れないため希少価値が高いです。そしてこの革の特長は薄いわりには硬くて滑らかでツルツルしてます。使えば使うほどに独特の照りが出ます。コレが世のコードバンファンをひきつける魅力だと思います。エナメルでもない、ナイロンでもない、コードバンが持つ独特の輝き。残念なのは水気に弱いことです。水が付いたときはスグに拭き取ることが長く大切に使うコツとあります。コードバンの靴はとても高価な靴ですが、雨の日に履けないのであります。ブラッシングにより独特のテリが保たれ、アメリカでは「オールデン」という靴メーカーがコードバンを多く買いつけているそうです。薄くて硬いのは靴にむいてますね。コードバンは牛革に比べ、小さくて限りがあります。だから高価なんですよね。
牛革にも独特の輝きを放つ革があります。ブライドルレザーです。牛革は表裏があり表側を銀面といい、毛羽立っている裏面を床面といいます。コレを2ヶ月~1年、蜜蝋に漬け込んだ革をブライドルレザーと言います。蝋が革に染み込んでいるので水をハジキます。なぜ蝋に漬け込むのか?イギリスの馬文化が発祥のようです。馬の口元のベルトや綱には丈夫さを要求されます。水分に屈しない強さです。馬文化から生まれた馬具だからこそ水に強く、丈夫な硬さを要求され作り上げたようです。ブライドルレザーは時間をかけて作るのでとても高価です。表面には独特の蝋が染み出たブルームと呼ばれる白い粉がふいてます。こちらは粉が取れて使うほどに照りが出てカッコイイのであります。
その昔ラルフローレンの旅行バッグを買った時に取手のハンドル部分が白く粉を吹いていたのを思い出します。
「なんだろ~?コレ、カビみたいで嫌だな~」
なんて思ったことがありました。オトナになってブランドブームがやってきた時もルイヴィトンのショルダーベルトにもあの粉を見ました。その時も、なんだろ?で終わりました。今思えばあれは考えられた素材のベルトだったんです。重い荷物を入れる旅行バッグ。ベルトの強度を上げるためにブライドルレザーを使っていたのです。何でもそこに理由がありますね〜
どちらも使ってみると個性があります。
革を縫ったり、削ったり、磨いたりしていると「だからこそ!この素材なんだ‼︎」と改めて考えさせられることがたくさんあります。縫いやすい革、柔らかい革、厚い革、薄い革、伸びる革、毛羽立った革、ウロコの革、いろいろ独特で用途に合わせて使えると楽しいです。
最近始めたばかりのレザークラフトですが、革商品を売っていこうなんて大それたことは考えておりません。チマチマ自分に役に立つモノを作って、磨き、お手入れをしながらヤレていく。その革が持つ独特の楽しさを追求していけたらと思ってます。
一言ではありませんでしたね〜
長文、読んでいただきありがとうございました。